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▼2006年10月11日 internet.comの記事


Google が YouTube を16億5000万ドルで買収することが決まった。同社が手に入れるのは、爆発的なオンライン動画ブームの発信地で、広告主がよだれを垂らしそうな訪問者数を誇るサイトだ。

Google は9日、YouTube を株式交換で買収すると発表したが、16億5000万ドルという買収額が、1つの疑問を呼び起こした。Google はどのようにして、この巨額の投資を回収するつもりだろうか?

たしかに YouTube の人気は高い。しかしアナリストに聞けば、YouTube は決してドル箱ではないと言うだろうし、少なくとも現段階ではドル箱にはなっていない。

それでも、YouTube を見ている人の多さが、Google にとって十分な魅力と映った。つまり、広告媒体としての魅力だ。そもそも Google 自体、広告があったからこそ、10億ドルを超す買収を行なうような企業になれた。

ただし、Google は、広告収入の大半を検索キーワードやコンテンツに連動した広告から得ている。しかもほぼすべてが、物品やサービス販売目的の広告だ。同じように、YouTube においても検索キーワードやコンテンツに連動した広告を表示することで、16億5000万ドルもの投資を全額回収できるのだろうか。

調査会社 JupiterKagan のアナリスト Emily Riley 氏は取材に対し、その可能性は低いと話す。

Riley 氏によると、YouTube の訪問者は、動画検索にさほど多くを求めていないため、広告を検索語にうまく連動させ、クリックさせることは難しいという。これはコンテンツ連動広告でも同じことが言える。お菓子の『mentos』を使った炭酸飲料大噴射映像を探す YouTube の利用者が、『TheCandyLandStore.Com』などでキャンディを買おうなどと思うはずもない。

これは、物販広告主が求める広告効果と、人々が YouTube を利用する動機が大きくずれていることに問題がある。

その点、Yahoo! などの大手インターネット企業は、ブランド広告の提供で利益を得ている。ブランド広告は、その場で何かの販売につなげようとするものではなく、消費者にブランドイメージを浸透させるものだ。

従来 Google は、ブランド広告主獲得にあまり積極的ではなかったが、このブランド広告には、同社の新たな資産となった YouTube の未来があるかもしれない、と Riley 氏は言う。

YouTube を利用する人は、まず間違いなく動画を観たいのであって、商品を購入したいわけではない。

しかし、利用者が前回閲覧した動画をもとに、次の動画を推薦する YouTube の技術を利用して連動広告を表示できれば、Google が広告リンクのクリックから16億5000万ドルを回収することも不可能ではないかもしれない。